Career
Interview

キャリアインタビュー

建築・不動産の枠を超えて
街を訪れた人に新たな発見を促し、
活力を生み出したい。

野々村 文宏

開発本部 開発推進部
担当課長代理(取材当時)
2022年入社

Interview

ゼネコンで街づくりに関わった経験を生かしながら、デベロッパーに立場を変えて、今も街づくりに携わる野々村。社員一人ひとりが確固たる哲学のもと徹底的に議論するNTT都市開発ならではの社風に共感し転職したという。未来を見据え、建築・不動産の枠を超えた街づくりに思いを馳せている。

Chapter01

ゼネコンでの再開発事業の経験を生かし、
プロジェクトの価値を社会に届けたい。

NTT都市開発に入社するまでのキャリアを教えてください。

大学院で建築を学んでいて、都市計画など街づくりを専攻していました。このため新卒での就職活動時からNTT都市開発を含むデベロッパーも選択肢として注目していましたが、当時は開発を建築側から見てみたいと考え、ゼネコンに入社しました。その会社では不動産コンサルティングや市街地再開発事業などの事業推進、都市計画における行政協議などを担当していました。具体的には、行政、設計事務所、再開発コンサルタントとの協議や社内の技術部門と連携して、施工における技術的課題を解決する業務を手掛けていました。それらの仕事で得たノウハウや技術はたくさんあったのですが、ゼネコンの性格上、建設工事を受注することがメインとなるため、受注が決まる、あるいは確実な状況になると、私たちの部署はプロジェクトから一歩身を引く場合が多いように感じました。そこが残念なところで、開発事業者の立場になってプロジェクトに最後まで関わり、社会に届けたいという気持ちから転職を考えました。NTT都市開発は新卒時から注目していた会社でしたし、建物と街との関係性を重視する姿勢に共感していたので、ぜひ入社したいと思いました。

Chapter02

自らの企画を直接社会に
発信できる点にやりがいがある。

現在の仕事内容について教えてください。

複合オフィスビルの事業推進全般を担当しています。不動産の商品企画、工事発注、開業準備など、さまざまな仕事がありますが、付加価値の高い計画を作成し円滑に事業を推進していくために、スケジュールの作成やタスク管理、社内外の関係者と連携して意見を集約するためのファシリテーションなどに取り組んでいます。前職でも建設工事着工に向けて、さまざまな立場の関係者の意向を調整してプロジェクトを推進する仕事をしていたので、その経験はダイレクトに生かせていると思います。

仕事のやりがいは、どんなところに感じていますか。

デベロッパーは自分たちの企画が、社会に直接届けられるところに仕事の魅力があります。2024年3月、仙台で当社が開発した複合オフィスビル*1 が開業したのですが、ビル低層部には、3GeV 高輝度放射光施設「NanoTerasu」*2 との連携、スタートアップ拠点の構築、地域の賑わいと回遊の促進により、周辺地域のさらなる活性化に寄与する機能を配置しています。多様な人や想いが集まるイノベーションの共創拠点をめざし、低層部の施設名称を「YUI NOS」と決定するとともにオープニングイベントを企画・実施したところですが、自ら企画したことを直接社会に発信できるところに、大きなやりがいを感じています。

  • *1 アーバンネット仙台中央ビル。『未来の仙台をつくる共創・賑わいの拠点に』をコンセプトに、エリア最大級で高機能なオフィスフロアや、多様化する働き方に対応したワークプレイスを整備するほか、都心部の新たな賑わいや回遊促進にむけたオープンスペースやテラスを配置しており、仙台市が進める「せんだい都心再構築プロジェクト」の第1号物件で2024年3月に開業した。
  • *2 「官民地域パートナーシップ(国の主体である国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)と、一般財団法人光科学イノベーションセンター(PhoSIC)を代表機関とする宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会からなる地域パートナー)」という新しい仕組みで整備される施設。太陽光の 10 億倍以上の明るさの光(放射光)を用いて、「ナノ」(1ナノは 10 億分の1メートル)の世界を観察することができる「巨大な顕微鏡」。

仕事をしていくうえで、工夫していることはどんなことですか。

さまざまな関係者と意見調整を図る必要があり、業務範囲が広いのですが、それぞれの専門家と対等にやりとりする必要があるため、多方面の知識習得が必要です。また、利害の調整も必要になるので、それぞれの考えの本質的な部分を理解するように心掛けています。表面に表れている言葉の背後に、真の意向が隠れていることもよくありますからね。そこを把握し、お互いのどの案よりも良い結果を生み出せるよう仮説をこちらから投げかけていくようにしています。

Chapter03

デベロッパーは決断する側として
街づくりへの哲学が問われている。

前職と現職で、どんな点に違いがありますか。

前職のゼネコンでも、限りなく事業者に近い目線に立って提案してきたつもりでした。しかし、デベロッパーに立場を変えてみると、同じプロジェクトに向き合っていても、まったく違う景色を見ることになります。選択肢を提示する側と決断する側の違いで、決断する側は「なぜ、その案を選ぶのか」という街づくりへの確固たる哲学が問われるのです。また、金融面のスキームや収支についても事業主体として、よりシビアに判断していると感じます。

NTT都市開発の強みを感じる場面はありますか。

私が関わっている「アーバンネット仙台中央ビル」の例を挙げると、まず「せんだい都心再構築プロジェクト第1号物件」という位置づけで、地元商店街や行政と連携しており、こうした街との関係性を重視した再開発に実績のある当社の強みが表れています。また、エリア最大級で高機能なオフィスフロアの整備、低層部ではNTTグループが行政や大学と締結した協定に基づき、産学官協働のスタートアップ創出拠点として、起業家や学生、一般企業などさまざまな人をつなぐ機能を提供し、スタートアップのマッチング支援を行います。例えば、コミュニティマネジャーが配置されたコワーキングスペースや会議室、さまざまな発信やイベント活動が可能なカンファレンス室などを配置しています。先にご紹介した3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu」との連携施設や「スマートイノベーションラボ仙台」、「スマートストア」が入居していて、それぞれ異なるNTTグループ企業が関わっており、当社にしかできない取り組みが随所に表れていると思います。

仕事の進め方で、気に入っているところはありますか。

もともと色々な街に関心があるので、プライベートでもあちこち出かけて駅周辺を歩き回ることが好きなのですが、当社ではこれをオフィシャルにやっています。あるプロジェクトによって街がどのように変化したのか、半日かけて周辺を歩き回って話し合う、といったことをしています。また、必要と判断すれば参考になる物件の視察にも積極的に出向いていて、そのための出張も認められています。こうしたことは前職よりも多く、私としては実際の街からのインプットを楽しみながら仕事ができています。

会社の雰囲気はいかがですか。

日常の会話や議論に熱量を感じる場面が多いです。10年先、20年先のことを議論しているのですが、「ここに道を通したほうが暮らす人に便利だ」といったことについて、明日にでも実行しそうな勢いで話している姿をよく見かけます。これはやはり、街づくりにおいて決断する側の立場にいることと、誠実に物事を考えて進めていくカルチャーが根付いているからなのかなと受け止めています。

Chapter04

自分なりの新しい視点を
プロジェクトに持ち込みたい。

業務において挑戦したいことはどんなことですか。

事業を推進していくなかにおいて、与えられたこと、既定のこと以外の視点をいかに持ち込むかということに挑戦しています。日々の業務で進めているタスク以外の課題はないか、担当しているプロジェクトの付加価値が高まるような取り組みができないかを常に考えています。チームのメンバーとの会話、プロジェクトの関係者との話し合いといった場面で、いろいろな考え方を吸収していくことで、自分なりの新しい視点を見つけていこうとしています。

その挑戦のために、どのような努力が必要ですか。

切り口の一つとして、長期的な視点で考えるということがあります。不動産は一度ビルを建設すると長期間運用することになるため、長期的な視点で本当に必要とされることは何かと考えることが大切です。このオフィスビルの40年後はどうなっているのか。人口動態や物価などが変化していくなかで、その変化に対応できるような仕掛けをどのようにして作っておくか。こうした長期の視点を持ち込むことで、それまでとは異なる新しい考えが生まれてくると思います。

今後のキャリアをどう描いていますか。

街を訪れた人の新たな発見や活力、交流を促す仕掛け、これまでになかった機能、用途の複合によりその街の新たな接点となる街づくりに挑戦したいと考えています。これまで建築、不動産の枠を広げられる都市計画を用いた開発に取り組んできましたが、今後はさらに視野を広げて、建築、不動産の枠を超えたプロジェクトに携わっていきたいと思っています。

キャリア採用に挑戦しようと考えている人にメッセージをお願いします。

当社は単なるデベロッパーではなく、NTTグループならではの広がりを持った仕事ができるので、それを街づくりに生かしていくことができます。また、街づくりに対する熱い想いを持ちつつ、さまざまな専門的知見のあるプロフェッショナルがそろっているので、自分の視野を広げ成長していくことのできる環境にあるといえるでしょう。転職は勇気のいる決断ですが、当社はプライベートと仕事をバランスよく両立させている方が多いのも特徴なので、働きやすさという点でも安心できる会社だと思います。