Career
Interview
キャリアインタビュー

入社以来、節目節目に
現れるチャンスに
真摯に向き合ってきた。
その延長線上に今のキャリアがある。
桑原 武史
開発本部 商業開発部
担当課長(取材当時)
2006年入社
Interview
入社後、分譲マンションの事業推進からキャリアをスタートし、土地の仕入れ業務、さらに商業施設・ホテル開発業務へ。その間、多様な経験を積みながら、現在では商業ホテル開発のプロジェクトマネージャーとして複数のプロジェクトを推進している。そんな桑原に自身のこれまでのキャリア形成について聞いた。
Chapter01
デベロッパーの仕事全てに携わる。
そんなキャリア像を求めて。
NTT都市開発に入社するまでのキャリアを教えてください。
新卒で入社したマンションデベロッパーで、分譲マンションの販売を担当し、マーケットからの商品企画、パンフレット作成、モデルルーム立ち上げ、接客・契約、設計変更対応、引き渡し決済等まで一貫して携わっていました。やりがいを持って仕事に取り組み、30歳の頃には自分の中で、分譲マンション販売業務については一通り習熟し、ある一定のレベルまで到達できたかなと思えるようになっていました。
NTT都市開発への入社を決意したきっかけは何でしたか?
販売だけでなく、デベロッパーの仕事全てに携われる道はないかと思い始めたことです。しかし、前職の大手マンションデベロッパーは、他の部門には異動しにくい環境でしたし、また他の部門に異動したとしても、会社の全容は見えないだろうなと……。そんな時、目に留まったのが、「分譲マンション事業の企画〜事業推進全般を担う人材募集」というNTT都市開発の求人情報でした。調べてみると、当時、NTT都市開発は分譲マンション事業の拡大戦略を始めたばかりで、いわば創世記。自分がこれまで培ったスキル・ノウハウを活かして存分に力を発揮できそうだし、会社としての今後の伸び代も期待できるし、これはいいなと思い、入社を決めました。

Chapter02
企画・事業推進から土地の仕入れまで。
幅広い仕事を経験する中で自身の成長を実感
入社当初、任された仕事は? また、その中でどう仕事を覚えていきましたか?
入社後、関西支店の住宅事業推進の部署に配属され、4物件のJVでのマンション事業推進を担当することに。前職と同じ分譲マンション事業とはいえ、企画〜設計、施工の発注管理など上流工程の業務を担うのは初めての経験。最初はわからないことだらけでした(笑)。そこで会社の資料を読み漁ったり、JVの幹事がやっている仕事などを見たりして、プロジェクト推進の知識を増やしスキルアップを図りました。キャリア採用で入社したのに何もできない人間だと思われたら心外なので(苦笑)、余計、がむしゃらに勉強した気がします。その一方、まさにやりたかった仕事が目の前にあり、それを推進するために新たな知識・スキルを得ることが面白くてたまりませんでした。
3年目に異動し、本社で住宅事業の用地仕入れ業務を担当することになったのは想定外だったとか。
そうなんです。最上流の土地の仕入れだけは、自分として携わることのない領域だと思い込んでいて、夢にも思ってなかったんです。しかし当時、組織変更があり、用地仕入れー事業推進一環体制ができたことで、私にとって千載一遇のチャンスが転がり込んできました。社内でも仕入れ側と推進側は利害が対立することがあります。高額の土地を仕入れれば、それだけ高額の商品をつくり販売する必要が生じて事業の難易度が上がったり……。しかし、事業推進担当が土地の仕入れから携われば、事業感全体を見ながら仕事ができるようになります。最終的に3年間で4物件の仕入れを経験し、分譲マンション事業の0から100まで推進できるスキルを得ました。

その後、関西支店へ戻られて、どのようなお仕事を?
本社で経験した住宅事業の仕入れ業務を主に担当しました。覚えてきたことを一通りできるようになり、さらに新しいことにも目を向けられるようになったのがこの時代。通常分譲だけでなく、借地権分譲、マンション建て替えなど、仕組みの違うプロジェクトに取り組みました。関係する法令もこれまでと全く違って、新しい知識を得なければ推進できないので、必然的にまた勉強の日々。そうした案件に巡り合える自分の運の良さも感じました。
Chapter03
全く経験のない商業・
ホテル開発業務へのチャレンジが、
さらなる飛躍に向けての転機に
これまでのキャリアの中で、大きなターニングポイントとなった出来事を教えてください。
入社10年目に社内公募があり、京都支店に異動し、商業施設及びホテル開発業務に就いたことです。それまで全く経験のない業務への転身のきっかけは、商業施設「新風館」(京都市)を、そのコンセプトを引き継ぎつつ新たな複合施設として再開発するプロジェクトが持ち上がったことでした。実は前職時代からユーザーとして旧京都中央電話局の外観を活かした「新風館」をよく利用していて、「とても素敵な施設だな」と興味を持ち、この建物を建て替えるのだったら、ぜひ自分がやりたいと思っていたんです。そこでプロジェクトの社内公募が始まるとすぐに応募し幸運なことに通りました。
新たな業務に取り組み始めてみていかがでしたか?
分譲マンション事業は向き合う相手がエンドユーザーである一方、商業施設の場合、相手はテナント様です。最初はどのようなスタンスで交渉に臨めば良いのか、そのさじ加減が難しかったし、また大規模小売店舗立地法など初めて聞く法律も学ぶ必要があるなど、各業務の特性がわかるまでは模索の日々でした。

「新風館」プロジェクトでご自身が力を発揮できたと思えたことは何でしたか?
「新風館」プロジェクトと同時に、同じエリアの商業施設「ラクエ四条烏丸」のPM業務(施設管理)に携わっていました。そこで30店舗のテナント様と関わる中で、商業施設ゾーンの形成に関して自分なりのノウハウを蓄積。それらを「新風館」プロジェクトに還元できたと思います。また、「新風館」内の「エースホテル京都」は、当社初のMCホテル事業へのチャレンジ。2016年から2020年の開業まで、いろんな意味でそこに自分が関わり貢献できたことを誇りに思います。自分が旧新風館の一部を解体した土地に、4年後、新たな「新風館」が今の形で出来上がったときの感動は忘れられません。
京都支店時代には、「エースホテル京都」の他にもホテルの開業に携わったとか?
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」と、同じく2020年開業の「THE HIRAMATSU京都」のプロジェクトにも携わりました。両者に共通しているのは、地域が長年築いてきた歴史や文化の次代への継承を大事にしていること。それは当社の他のどの物件にも通底している考え方でもあります。ちなみに、「THE HIRAMATSU京都」は、私が分譲マンション事業に携わっていた時に購入した土地に建てたものです。不思議な巡り合わせですね。
Chapter04
全てのアセットスキルを身につけ、
ゆくゆくは大規模な複合再開発を手掛けたい
現在はどのようなお仕事を?
入社15年目に、京都支店時代にプロジェクトを一緒に推進していた本社の商業・ホテル開発チームの部署へ異動。現在取り組んでいるプロジェクトの一つは、元新道小学校跡地活用計画です。本プロジェクトの始まりは、京都市の「小学校跡地を活用しつつ、花街文化の発展と継承に貢献する施設の実現」に向けてのプロポーザルから。京都の文化の真髄にまで携わることができる街づくりプロジェクトであり、当社として絶対に獲得したい案件でした。そこで京都市の要望を咀嚼した上で、街づくりのベストな解答として、街の象徴する歌舞練場を含めた3施設を既存の建物の特徴を活かしながら整備するプランを提案。見事に当選しました。まさに会心の仕事だと思います。
その後のプロジェクトの進捗はいかがですか?
つい最近、着工したばかり。苦労も多々あり、「ここまでこぎつけた」というのが今の思いです。本プロジェクトは非常に関係者が多く、京都市、新道自治連合会、宮川町お茶屋組合の3団体との合意を形成しないと話が進みません。それぞれの団体の方々にどうご納得いただくか、非常に頭を悩ませましたし、そこでは人情味あるコミュニケーションを求められました。目を瞑るとたくさんの顔が浮かんできます(笑)。竣工予定は2025年3月。そこを迎えることが出来れば、自分の中で入社以来最大の仕事になると思います。

入社以来、分譲マンション事業の企画・推進から土地の仕入れ業務、さらに商業施設・ホテル開発業務へ。その中でいくつも注目のプロジェクトを手掛けられるなど、理想的なキャリアアップをされていますね?
本当に夢見ているんじゃないかと。私は自分の努力の結果だと思っているんですが、妻に言わせると「ラッキーの塊」だというので、やっぱりそうなのかなと(笑)。自分一人で手を上げて一人で騒いでもこうはならないので、おそらく私がやってきたことを節目節目で見ていてくれた人が社内にいて、私の可能性を見出してくれたのだと思います。
今後、どのようなキャリアを積み上げていきたいですか?
当社の基幹アセットであるオフィスアセットを手掛けたことがないので、ゆくゆくはオフィスの開発業務を担当したいと考えています。それができたら、すべてのアセットタイプのスキルが身につき、“一人総合デベロッパー”ができるなと(笑)。そこから複合再開発などの一度に複数アセットを開発する案件で、それまで積み上げてきたキャリアを全て活かし切る業務に携わりたいですね。